弁護士会の損害賠償額算定基準

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伊佐行政書士事務所

弁護士会の算定基準で有名なものは、日弁連交通事故相談センター東京支部の「赤い本」、日弁連交通事故相談センターの「青本」があります。 ここでは赤い本(2005年)の基準の一部を参考程度に簡単にご紹介します。

自賠責保険や任意保険の支払い基準と赤い本の算定基準の違いは、自賠責や任意保険は画一的にすべての事故を処理しよう とする傾向が強いのに対し、赤い本では個々のケースごとに判例に照らして妥当な解決をしようとしている点に現れています。

そのようなことから当然に赤い本の損害額算定は複雑になり、一般の方が赤い本だけを少し勉強して妥当な損害額を出せるというようなものではなくなっています。 赤い本を基にして損害賠償額を算定するには、赤い本のみでなく、数多くの裁判例等にあたって、適切な判断をしていくことが大切です。

治療関係費

1 治療費

必要かつ相当な実費全額。必要性、相当性がないときは、過剰診療などと否定されることがある。鍼灸、マッサージ費用等は 症状により有効、相当な場合は認められる傾向にある。

2 付添看護費

入院付添費は医師の指示または受傷の程度、被害者の年齢等により必要があれば職業付添人の部分には実費全額が、被害者本人の損害として認められる。通院付添費は症状または幼児等必要と認められる場合には被害者本人の損害として認められる。

3 雑費

入院雑費1日につき1,500円

4 通院交通費

症状などによりタクシー利用が相当とされる場合以外は電車等の公共交通機関の料金。自家用車を利用した場合は実費相当額。

5 医師への謝礼

社会通念上相当なものであれば、損害として認められることがある。見舞客に対する接待費、快気祝等は道義上の出費であるから認められない。

6 学習費、保育費、通学付添費

被害者の被害の程度、子供の年齢、家庭の状況等を検討し、学習、通学付添の必要性があれば、妥当な範囲で認める。

7 装具、器具等購入費

必要があれば認める。

8 家屋、自動車改造費

被害者の受傷の内容、後遺症の程度・内容を具体的に検討し、必要性が認められれば相当額を認める。

9 葬儀関係費用

葬儀費用は原則として150万円。

休業損害

1 有職者

給与取得者は事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減とする。現実の収入減がなくても、有給休暇を使用した 場合は休業損害として認められる。事業所得者は現実の収入減があった場合に認められる。

2 家事従事者

賃金センサスを基礎として、受傷のために家事労働に従事できなかった期間につき認められる。パートタイマー、内職等の兼業主婦については、現実の収入額 と女子労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として算出する。

3 無職者

失業者は労働能力および労働意欲があり、就労の蓋然性があるものは認められる。

後遺障害逸失利益

1 逸失利益の算定方法

有職者の場合の計算式

基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間対応のライプニッツ係数

18歳未満の未就労者の場合の計算式

基礎収入額×労働能力喪失率×(67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数)

2 基礎収入

給与所得者は原則として事故前の収入を基礎として算出する。若年労働者の場合は、学生との均衡の点もあり全年齢平均の賃金センサスを用いるのを原則とする。

事業所得者は申告所得を参考にするが、同申告額と実収入額が異なる場合には、立証があれば実収入額を基礎とする。

家事従事者は賃金センサス女子労働者全年齢平均を基礎とする。

学生・生徒・幼児は賃金センサス男女別全年齢平均を基礎とする。高齢者は就労の蓋然性があれば賃金センサスの男女別、年齢別平均を基礎とする。 失業者は労働能力および労働意欲があり、就労の蓋然性があるものは認められる。

死亡による逸失利益

1 逸失利益の算定方法

有職者の場合の計算式

現実年収額または学歴計あるいは学歴別の男女別平均賃金×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

18歳未満の未就労者の場合の計算式

学歴計の男女別あるいは全労働者平均賃金×(1-生活費控除率)×(67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数)

2 基礎収入

給与所得者は原則として事故前の収入を基礎として算出する。若年労働者の場合は、学生との均衡の点もあり全年齢平均の賃金センサスを用いるのを原則とする。

事業所得者は申告所得を参考にするが、同申告額と実収入額が異なる場合には、立証があれば実収入額を基礎とする。

家事従事者は賃金センサス女子労働者全年齢平均を基礎とする。

学生・生徒・幼児は賃金センサス男女別全年齢平均を基礎とする。高齢者は就労の蓋然性があれば賃金センサスの男女別、年齢別平均を基礎とする。 失業者は労働能力および労働意欲があり、就労の蓋然性があるものは認められる。

3 生活費控除率

一家の支柱で被扶養者1人の場合は40%

一家の支柱で被扶養者2人以上の場合は30%

女子(主婦、独身、幼児を含む)は30%

男子(独身、幼児を含む)は50%

4 就労可能年数

原則として67歳まで。 高齢者は平均余命年数の2分の1。

慰謝料

1 死亡

一家の支柱 2,800万円

母親、配偶者 2,500万円

その他 2,000万~2,500万円

2 傷害

原則として入通院期間を基礎として別表Ⅰを使用する。通院が長期にわたり、かつ不規則である場合は実日数の3.5倍程度を慰謝料算定の ための通院期間の目安とすることがある。むち打ち症で他覚症状がない場合は別表Ⅱを使用する。この場合慰謝料算定のための通院期間は、 その期間を限度として、実治療日数の3倍程度を目安とする。

3 後遺症

障害等級 後遺障害慰謝料
第1級 2,800万円
第2級 2,370万円
第3級 1,990万円
第4級 1,670万円
第5級 1,400万円
第6級 1,180万円
第7級 1,000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円
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