Q&A 自賠責保険・任意保険に関すること

交通事故オンライン損害賠償編

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伊佐行政書士事務所

自賠責保険に関するQ&A

Q1 自賠責保険の請求は自分でもできますか。

加害者が治療費などの賠償金を払ってくれないときは、被害者が直接自賠責保険会社に損害賠償金を請求することができます。 事故証明書などの書類をそろえる必要がありますが、加害者の承諾を得る必要などはありません。

Q2 保険会社の担当者に暴言を吐かれました。対抗策はありませんか。

たまにこのような話を耳にします。どのような状況で暴言を吐かれるようになったのかわかりませんが、残念なことです。 暴言があったからといって特に有効な策は思いつきませんが、その担当者と話し合いができない状況なのであれば、 担当者の変更を会社に要求すれば良いかと思います。暴言というのは言語道断だと思いますが、保険会社はあくまで保険金を支払うのが役目ですので、 被害者側も必要以上に、保険会社担当者に対して礼を失した態度を取る事がないように気をつけてください。 話し合いがこじれるのは被害者側の感情的な応対が原因になっているケースも良く見かけます。もっとも知識のない被害者が、 プロである保険会社と対等に交渉するのは非常に困難な事ですので、それが原因で感情的になってしまう場合が多いようです。

Q3 幸い軽傷で済み、通院も1ヶ月だけで完治しました。こういう場合は自賠責保険しか請求できないのでしょうか。

自賠責保険では傷害についての保険金額の上限は120万円までとなっています。通常は損害がこれを超える場合にのみ任意保険会社から賠償金が支払われます。 ただし、自賠責保険から支払われた金額が10万円であっても、法的に妥当な損害がそれを超える場合は、その分を請求することはできます。

Q4 このケースでは共同不法行為で保険が二倍出ますといわれましたが、どういうことでしょうか。

自賠責保険は車ごとにかけられている保険ですが、加害車両が複数台ある場合は、台数分の保険が使えることになります。例えば加害車両が二台ある場合は、 傷害の保険金額は、120万円×2=240万円が上限になります。もっとも上限額が大きくなっただけですので、単純に慰謝料が二倍支払われるというような事ではありません。

Q5 被害者請求とはなんですか。

自賠責保険の請求方法には、加害者請求と被害者請求という方法があります。加害者請求は、加害者が被害者に賠償金を支払って示談をした後に、自賠責保険から支払った金額を 回収するというもので、本来の保険金の請求方法ということができると思います。被害者請求というのは、加害者の中には賠償金を積極的に支払おうとしない不誠実な者も おり、そのような場合は被害者は治療費の支払にも窮することにもなりかねないことから、被害者救済の手段として、被害者が直接自賠責保険に損害賠償金を請求できるように したものです。

Q6 息子が飲酒運転で自損事故を起し大怪我をしました。保険金はおりませんか。

自損事故の場合は、自賠責保険はおりません。また、任意保険の自損事故保険は、酒酔い運転の場合は保険金は支払われません。

Q7 妻と車で旅行中、自損事故を起し助手席の妻が怪我をしました。保険金は支払われますか。

自賠責保険は『他人』に対して支払われるものですので、自損事故の場合は、保険金は支払われません。 では、妻のような近親者は『他人』という扱いになるのでしょうか?このようなケースは親族間事故といって、 通常の場合と若干取扱が異なることがありますが、自賠責保険金は通常支払われます。任意保険の自損事故保険は、 自賠責保険が支払われない場合にのみ支払われる保険ですので、この場合は支払われません。

Q8 主人が夜間カーブでハンドル操作を誤って電柱に激突死しました。多額の借金があるため、自殺を疑われています。どうしたらいいでしょうか。

警察の捜査の結果、自殺とされた場合は、保険金は自賠責保険や自損事故保険、搭乗者傷害保険はおりません。 自殺かどうか不明の場合は、保険会社と話し合いが進まないことがあると思います。

Q9 対人賠償保険はいくらかけておけば大丈夫ですか。

もちろん保険金額が多いに越したことはありませんね。一億円の人、無制限の人、色々いらっしゃるでしょう。 では、万一自分が加害者になってしまった場合、いったいいくらくらいの賠償責任を負うことになるのでしょうか。 いくつか参考事例をあげておきます。
①9歳女 死亡 5225万
②30歳男 死亡 7020万
③22歳男 死亡 8302万
④54歳女 死亡 4657万
⑤49歳男 後遺障害1級 1億5327万
⑥11歳女 後遺障害1級 1億3004万
このように、死亡よりも重度の後遺障害が残ったほうが高額の賠償金が必要になります。2億円を越えるような高額賠償判決もありますので、 やはり無制限の保険に入っていたほうが安心です。

Q10 仮渡金とは、どういうものでしょうか。

死亡事故や急な入院などで、急ぎの資金が必要になることもあります。仮渡金というのはそのような時のために、保険金の一部を素早く支払ってくれる 便利な制度です。

Q11 内払いとはどういうものでしょうか。

自賠責保険の制度ですが、現在は廃止しれています。

Q12 賠償責任保険とはどういうものですか。

自動車保険で対人保険とか対物保険などと呼ばれているものが賠償責任保険です。他の人や、他の人の所有物に対して賠償責任を負った場合に支払われる保険です。

Q13 無保険車保険とはどういうものですか。

死亡または後遺障害が残った場合で、加害者が無保険などの場合に支払われます。

Q14 搭乗者傷害保険とはどういうものですか。

運転者や同乗者などの、自動車に搭乗中の者に支払われます。

Q15 人身傷害補償保険とはどういうものですか。

傷害保険の一種です。相手に請求できない自分の過失分が支払われたり、家族の歩行中の事故などで支払われる場合もあります。

Q16 私は事故の被害者なのですが、保険会社の人に加害者呼ばわりされました。 ただ、被害者様とも呼ばれています。どうもよく意味がわからないのですが。

被害者、加害者というと、通常は責任の大きい方が加害者、責任の小さい方が被害者といわれます。しかし、自賠責保険の実務では 怪我をしたほうが被害者で、 その相手方が加害者と呼ばれます。ですから、過失9割の相手方も怪我をしたようなケースでは、過失は1割程度であっても、 その分については自賠責保険の請求では、 過失1割の人が加害者という位置づけをされます。 「自分の過失は1割なのに、相手の保険会社から電話がかかってきて、怪我をした○○さんの被害者請求をするので、あなたの自賠責保険証のコピーを送ってほしい、 といわれましたが、何で自分が加害者呼ばわりされるのでしょうか?」というご質問をいただいたことがありますが、これは単に自賠責の手続き上、そのような言い方をされたに過ぎないのです。 もっとも、誤解を受けやすい部分ですので、相手方も誤解されないように、言葉に気をつけるべきです。 加害者という言葉には、何か悪いことをした人というようなマイナスのイメージがあり、 そう呼ばれて気持ちのいいものではありません。 事故の相手方とは上手くコミュニケーションが取れないことが多いので、誤解のおきないように、言葉遣いには注意したいものです。