約款~無保険車傷害条項

交通事故オンライン損害賠償編

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伊佐行政書士事務所

無保険車傷害条項

第1条(当会社の支払責任)

①当会社は、無保険自動車の所有、使用または管理に起因して、被保険者の生命が害されること、または身体が害されその直接の 結果として後遺障害が生じること(以下「無保険車事故」といいます。)によって被保険者またはその父母、配偶者(内縁を含みます。 以下同様とします。)もしくは子が被る損害(この損害の額は第9条に定める損害の額をいいます。以下同様とします。) に対して、賠償義務者がある場合に限り、この無保険車傷害条項および一般条項に従い、保険金を支払います。

②当会社は、1回の無保険車事故による前項の損害の額が、次の(1)および(2)の合計額を超過する場合にかぎり、その超過額 に対してのみ保険金を支払います。
(1)自賠責保険等によって支払われる金額(自賠責保険がない場合、または自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償保障事業により 支払われる金額がある場合は、自賠責保険等によって支払われる金額に相当する金額。以下同様とします。)
(2)対人賠償保険等によって、賠償義務者が前項の損害について損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して保険金または共済金の 支払を受けることができる場合は、その対人賠償保険等の保険金額または共済金額(対人賠償保険等が2以上ある場合は、それぞれの保険金額 または共済金額の合計額とします。以下同様とします。)

第1条 解説
・無保険車傷害保険は、自分の加入している任意保険から、死亡または後遺障害が残った場合にのみ支払われます。怪我をしただけでは支払われません。
・加害者の付保している自賠責保険や任意保険では、損害賠償額に不足する場合に支払われる保険です。

第2条(被保険者)

①この無保険車傷害条項において被保険者とは、次の各号のいずれかに該当する者をいいます。
(1)賠償責任条項第3条(被保険者-対人・対物賠償共通)第1項第1号に規定する記名被保険者 (以下この条において、「記名被保険者」といいます。)
(2)記名被保険者の配偶者
(3)記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
(4)記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
(5)前各号以外の者で、保険証券記載の自動車(原動機付自転車を含みます。以下「被保険自動車」といいます。)の正規の乗車装置 または当該装置のある室内(隔壁等により通行できないように仕切られている場所を除きます。)に搭乗中の者

②前項の規定にかかわらず、極めて異常かつ危険な方法で自動車(原動機付自転車を含みます。以下同様とします。)に 搭乗中の者は被保険者に含みません。

第2条 解説
・(1)から(4)の被保険者は、歩行中の事故などでも保険金支払の対象となります。
・(5)の被保険者(親族等でない者)は、保険をかけてある自動車に乗っているときの事故に限り、保険金支払の対象になります。

第3条(用語の定義)

この無保険車傷害条項において、次の各号の用語は、それぞれ次の定義によります。
(1)<後遺障害>
身体の一部を失いまたはその機能に重大な障害を永久に残した状態であって、次の(イ)または(ロ)に該当するものをいいます。 ただし、被保険者が症状を訴えている場合であっても、それを裏付けるに足りる医学的他覚所見のないものを除きます。
  (イ)別表Ⅰに掲げる後遺障害
  (ロ)別表Ⅰに掲げる後遺障害に該当しない状態であっても、当会社が、身体の障害の程度に応じて、同表の後遺障害に相当すると 認めたもの
(2)<賠償義務者>
無保険自動車の所有、使用または管理に起因して被保険者の生命または身体を害することにより、被保険者またはその父母、配偶者もしくは子が 被る損害に対して法律上の損害賠償責任を負担する者をいいます。
(3)<自賠責保険等>
自動車損害賠償保障法に基づく責任保険または責任共済をいいます。
(4)<対人賠償保険等>
自動車の所有、使用または管理に起因して他人の生命または身体を害することにより、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対し て保険金または共済金を支払う保険契約または共済契約で自賠責保険等以外のものをいいます。
(5)<相手自動車>
被保険自動車以外の自動車であって被保険者の生命または身体を害した自動車をいいます。 ただし、被保険者が所有する自動車(所有権留保条項つき売買契約により購入した自動車、および1年以上を期間とする貸借契約により 借り入れた自動車を含みます。)および日本国外にある自動車を除きます。
(6)<保険金請求権者>
無保険車事故によって損害を被った次のいずれかに該当する者をいいます。
  (イ)被保険者(被保険者が死亡した場合は、その法定相続人とします。)
  (ロ)被保険者の父母、配偶者または子

第3条 解説
・ここで後遺障害とは、別表Ⅰに掲げるもの、または保険会社が同表程度のものと認めたものとされています。画像上異常が認められない神経症状は 後遺障害と認められない場合があります。

第4条(無保険自動車の定義)

①この無保険車傷害条項において、「無保険自動車」とは、相手自動車で、次の各号のいずれかの場合に該当すると認められる自動車をいいます。
(1)その自動車について適用される対人賠償保険等がない場合
(2)その自動車について適用される対人賠償保険等によって,被保険者またはその父母、配偶者もしくは子が被る損害について、法律上の 損害賠償責任を負担する者が、その責任を負担することによって被る損害に対して保険金または共済金の支払を全く受けることができない場合
(3)前2項の規定にかかわらず、相手自動車が2台以上ある場合には、それぞれの相手自動車について適用される対人賠償保険等の保険金額 または共済金額の合計額(第1項第1号および第2号ならびに前項に該当する相手自動車については、保険金額または共済金額がないものとして 計算します。)が、この保険証券記載の保険金額に達しないと認められるときにかぎり、それぞれの相手自動車を無保険自動車とみなします。

第4条 解説
・無保険自動車とは、対人の賠償保険をつけていない自動車、あるいは対人賠償保険をつけていても保険金が支払われない相手自動車のことをいいます。
・相手自動車の対人賠償保険が、被保険者のかけている対人賠償保険の保険金額に達しない場合は無保険自動車と扱われます。つまり、相手自動車が対人賠償保険に 入っていても、その保険金額が低く、損害賠償額に足りない場合は、被保険者のかけている対人賠償保険の保険金額までは、無保険車傷害保険で支払われるということです。

第5条(個別適用)

この無保険車傷害条項の規定は、それぞれの被保険者ごとに個別に適用します。

第6条(保険金を支払わない場合-その1)

①当会社は、次の各号のいずれかに該当する事由によって生じた損害に対しては、保険金を支払いません。
(1)戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取,内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動(群衆または多数の者の集団の行為に よって、全国または一部の地区において著しく平穏が害され、治安維持上重大な事態と認められる状態をいいます。)
(2)地震もしくは噴火またはこれらによる津波
(3)台風、こう水または高潮
(4)核燃料物質(使用済燃料を含みます。以下この号において、同様とします。)もしくは核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含みます。) の放射性、爆発性その他有害な特性の作用またはこれらの特性に起因する事故
(5)前号に規定した以外の放射線照射または放射能汚染
(6)前各号の事由に随伴して生じた事故またはこれらにともなう秩序の混乱に基づいて生じた事故

第6条 解説
・戦争や地震、台風などに起因する事故の場合は免責となります。

第7条(保険金を支払わない場合-その2)

①当会社は、次の各号のいずれかに該当する損害に対しては、保険金を支払いません。
(1)被保険者の故意によって生じた損害
(2)被保険者が法令に定められた運転資格を持たないで自動車を運転している場合、酒に酔った状態(アルコールの影響により 正常な運転ができないおそれがある状態をいいます。)で自動車を運転している場合、または麻薬、大麻、あへん、覚せい剤、 シンナー等の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で自動車を運転している場合に生じた損害
(3)被保険者が、自動車の使用について、正当な権利を有する者の承諾を得ないで自動車に搭乗中に生じた損害
(4)被保険者の闘争行為、自殺行為または犯罪行為によって生じた損害

②損害が保険金を受け取るべき者の故意によって生じた場合は、当会社は、その者の受け取るべき金額については、保険金を支払いません。

第7条 解説
・被保険者の故意、無免許、酒酔い運転などの場合は免責となります。
・無断搭乗者は免責となります。
・自殺や犯罪行為による事故の場合は免責となります。

第8条(保険金を支払わない場合-その3)

①当会社は、次の各号のいずれかに該当する者が賠償義務者である場合は保険金を支払いません。ただし、これらの者以外に賠償義務者がある場合は、この限りではありません。
(1)被保険者の父母、配偶者または子
(2)被保険者の使用者。ただし、被保険者がその使用者の業務(家事を除きます。以下この項において、同様とします。)に従事している場合にかぎります。
(3)被保険者の使用者の業務に無保険自動車を使用している他の使用人。ただし、被保険者がその使用者の業務に従事している場合に限ります。

②当会社は、被保険者の父母、配偶者または子の運転する無保険自動車によって被保険者の生命または身体が害された場合は保険金を支払いません。 ただし、無保険自動車が2台以上ある場合で,これらの者または前項第2号もしくは第3号に定める者以外の者が運転する他の無保険自動車があるときはこのかぎりではありません。

③被保険自動車について適用される対人賠償保険等によって、被保険者またはその父母、配偶者もしくは子が被る損害について法律上の損害賠償責任を負担するものが、 その責任を負担することによって被る損害に対して保険金または共済金の支払を受けることができる場合(保険金請求権者が対人賠償保険等によって損害賠償額の支払を 直接受けることができる場合を含みます。)には、当会社は、保険金を支払いません。

④当会社は、自動車修理業、駐車場業、給油業、洗車業、自動車販売業、陸送業、運転代行業等自動車を取り扱うことを業としている者 (これらの者の使用人、およびこれらの者が法人である場合はその理事、取締役、または法人の業務を執行するその他の機関を含みます。) が被保険自動車を業務として受託している間は、その自動車に搭乗中に生じた損害に対しては、保険金を支払いません。

⑤当会社は、被保険者が被保険自動車以外の自動車に競技、曲技(競技または曲技のための練習を含みます。)もしくは試験のために搭乗中、または、競技、曲技もしくは 試験を行なうことを目的とする場所において搭乗中(救急、消防,事故処理、補修、清掃等のために搭乗している場合を除きます。)に生じた損害に対しては、保険金を支払いません。

第8条 解説
・父母、配偶者、子が加害者であるときは免責となります。被保険自動車に同乗中の者のなかで、一部の者について加害者が父母、配偶者、子であっても、 そのような身分関係にない同乗者については、第5条(個別適用)により、有責となると解されます。
・被保険者の使用者等が賠償義務者となる業務中の事故は免責になります。
・無保険自動車が2台ある場合は、一方が上記の父母や使用者等であっても、もう一方の無保険自動車がそれ以外の者の運転であれば支払われます。
・自動車修理業者などが業務上の搭乗中に起きた事故は、免責となります。
・カーレースなど、競技や曲技、試験運転中の事故は免責となります。

第9条(損害額の決定)

①当会社が保険金を支払うべき損害の額(以下「損害額」といいます。)は、賠償義務者が被保険者または父母、配偶者もしくは子が被った損害に対して 法律上負担すべきものと認められる損害賠償責任の額によって定めます。

②前項の損害額は、保険金請求権者と賠償義務者との間で損害賠償責任の額が定められているといないとにかかわらず、次の手続きによって決定します。
(1)当会社と保険金請求権者との間の協議
(2)前号の協議が成立しない場合は、一般条項第19条(評価人および裁定人)に定める手続または当会社と保険金請求権者との間における訴訟、裁判上の和解もしくは調停

第9条 解説
・無保険者傷害保険金は、法的に妥当な金額とされています。任意保険会社の支払い基準などに拘束されるものではありません。
・事故の当事者同士で賠償額について合意しても、保険会社はそれに拘束されません。

第10条(費用)

保険契約者または被保険者が支出した次の費用(収入の喪失を含みません。)は、これを損害の一部とみなします。
(1)一般条項第14条(事故発生時の義務)第1号に規定する損害の防止または軽減のために必要または有益であった費用
(2)一般条項第14条第6号に規定する権利の保全または行使に必要な手続をするために当会社の書面による同意を得て支出した費用

第11条(支払い保険金の計算)

1回の無保険車事故につき当会社の支払う保険金の額は、次の(1)の額から(2)、(3)、(4)および(5)の合計額を差し引いた額とします。 ただし、保険証券記載の保険金額から次の(3)の額を差し引いた額を限度とします。
(1)第9条(損害額の決定)の規定により決定される損害額および前条(費用)の費用
(2)自賠責保険等によって支払われる金額
(3)対人賠償保険等によって賠償義務者が第1条(当会社の支払責任)第1項の損害について損害賠償責任を負担することによって 被る損害に対して保険金または共済金の支払を受けることができる場合は、その対人賠償保険等の保険金額または共済金額
(4)保険金請求権者が賠償義務者からすでに取得した損害賠償金の額。ただし、賠償義務者がその損害賠償金の全部または一部に対して、 自賠責保険等または対人賠償保険等によって保険金または共済金の支払を受けている場合は、その支払を受けた額を差し引いた額とします。
(5)第9条の規定により決定される損害額および前条の費用のうち、賠償義務者以外の第三者が負担すべき額で保険金請求者がすでに 取得したものがある場合は,その取得した額

第11条 解説
・保険金は、法的に妥当な損害額から、自賠責保険や対人賠償保険から受け取った金額と賠償義務者から受け取った金銭があるときはその金額の合計を 控除した金額となります。

第12条(保険金請求権者の義務)

①被保険者またはその父母、配偶者もしくは子が第1条(当会社の支払責任)第1項の損害を被った場合は、保険金請求権者は 賠償義務者に対して遅滞なく書面によって損害賠償の請求をし,かつ、次の事項を書面によって当会社に通知しなければなりません。
(1)賠償義務者の住所および氏名または名称
(2)賠償義務者の損害に対して保険金または共済金を支払う対人賠償保険等の有無およびその内容
(3)賠償義務者に対して書面によって行なった損害賠償請求の内容
(4)保険金請求権者が第1条第1項の損害に対して、賠償義務者、自賠責保険等もしくは対人賠償保険等の保険者もしくは共済者または 賠償義務者以外の第三者からすでに取得した損害賠償金または損害賠償額がある場合は、その額

②当会社は、保険金請求権者が、正当な理由がなくて前項の義務を怠った場合は,保険金を支払いません。

第12条 解説
・事故があった場合は賠償義務者に関する情報を保険会社に通知する義務が規定されています。 保険会社はこれらの情報により、加害者への求償に備えます。

第13条(保険金請求の手続)

保険金の請求は,保険金請求権者の代表者を経由して行うものとします。

第13条 解説
・保険金請求者の代表を決めることにより、保険会社としては保険金の分配方法についての争いに関与しないようにしています。

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