いろいろな不法行為の慰謝料
ここでは様々な慰謝料金額(裁判例)を紹介します。裁判の結果はそれぞれに事情があってのことであり、 交通事故と単純に比較することはできませんので、このように様々な例を並べることは意味のない事ともいえますが、 バランスの取れた慰謝料算定の難しさがお分かりいただけるのではないでしょうか。
医療事故
- 22歳男性の死亡慰謝料1800万円
手術の侵襲による気道狭窄、狭小が生じて低換気状態に陥っていることを看過し、 適切な処置を講ずべき義務を怠った過失。 - 新生児の死亡慰謝料1600万円
新生児が鼻口部を寝具等に顔を押しつけ閉塞することがないように、ベッドの上に 柔らかい可動性のある物を敷かないようにするとともに、看護婦に新生児を綿密に観察させ異常の有無を早期に確認させるべき 義務を怠った過失。 - 63歳男性の死亡慰謝料2000万円
医師がMRSA検査結果を待たずに手術を実施し、かつ術後、MRSAに感受性を 有する抗生剤を速やかに投与すべき義務があるのにこれを怠り、また検査結果が通知された後もその状況を確認検討しなかった。
鉄道などにおける事故
- ヘリコプターが墜落し、死の恐怖に直面し負傷した場合に、慰謝料50万円を認めた。
- 駅のホームから列車のドアに指を挟まれ、そのまま発車した同車に150メートル引きずられ、 ホームより落下して轢死した場合に、慰謝料2000万円が認められた。
その他
交通事故の場合は、一瞬の過失による結果に対する慰謝料ですが、故意による不法行為に対する慰謝料は、どれくらいなのでしょうか。
- 離婚
1500万円、500万円、200万円、20万円など様々。婚姻期間や離婚の原因などにより差があります。 - ストーカー行為
100万円、50万円など。 - いじめ
50万円、30万円など - 強姦(示談金)
500万、200万、100万、60万など。 - 傷害(示談金)
150万、100万、60万、20万など。
(参考図書 慰謝料算定の実務 ぎょうせい)