幼児が飛び出してきた場合の過失

交通事故オンライン損害賠償編

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伊佐行政書士事務所

幼児が走って飛び出してきた場合

日ごろからどんなに注意をしていても、子供は道路に飛び出すことがあります。「急に飛び出してこられては、車としても避けようがない。」と思われる人もいるかもしれません。 「うちの子供が、急に飛び出したのが悪いのです。かえってすみませんでした。」そう考える親御さんもいらっしゃるかと思います。 しかし、車のドライバーとしては、見通しの悪い道路などは、いつ何が飛び出してきても良いように、 注意して運転しなければならないのです。飛び出し事故であっても、自動車側は大きな責任を問われます。

下図は路上駐車車両の陰から飛び出し横断をした幼児に、反対車線を時速20キロ程度で走行中の車が衝突した事例ですが、 加害者は前方の安全確認が十分に行えない状況で進行したとして、80%の過失とされています。

幼児が走って飛び出してきた場合の過失

自動車は大変便利だが、大変危険な乗り物

自動車の運転があまりにも一般化しているため、自動車の危険性に対する意識は低くなっているようです。住宅街を歩いていても、もしここで子供が飛び出してきたら、 この車は避けられないな、と感じる運転をしている人をよく見かけます。むしろそうした運転の方が一般化しており、慎重なドライバーは、 のろま扱いされる風潮さえあるのではないでしょうか。自動車事故で毎年数千人が亡くなっています。ここ数年は厳罰化の効果で減少の一途をたどっていますが、 少々減ったくらいで危険度が下がっているわけではありません。自動車は危険な乗り物という意識を常に持ってハンドルを握りましょう。

子供が飛び出すのは、住宅街の比較的幅の狭い道路が多いのではないでしょうか。歩道のない道路で、塀の陰や駐車中の車の陰から飛び出すときに事故になりやすいといえるでしょう。 そうした事故の場合でも、加害者側の過失は8割~9割とされる場合が多くなっています。「急に飛び出してきた」という言い訳は、きかないものと心得ておきましょう。